目の前の火柱
2008.6.28
5月のブログを少しずつ上げていこうと思っていたところですが、
先んじてつい先日の出来事を緊急で上げようと思います。
6月28日、
私たちがほんの3ヶ月前に披露宴をしたレストラン「アプレシェール葉山庵」が、
火事でレストランのほとんどを焼き尽くしました。
そしてなんの因果か・・・
その現場に、式以来3ヶ月ぶりに、仕事で葉山庵に入った私が立ち会うことになろうとは、
まさか・・・まさかね。
古い日本家屋のことですから、この時期になるといつも蚊がどこからともなく大量発生します。
この日も、普通にそのへんを「ぷぉ〜〜ん」と飛んでいるのが目に入る。
スタッフが虫除けスプレーやかゆみ止めを携帯するなど、大変なのです。
だから、ガーデンで乾杯のセレモニーをしてレストラン内に入ったとき、
「だからといって蚊取り線香までたかなくていいのに〜フレンチっぽくないじゃん」と、
初めてかぐ臭いにも特に「まさかそんな」ことまでは想像もしてなかった。
そして、食事のサービスが始まったと同時に、
天井の換気口からもくもくと煙が・・
新郎の「なんか、演出っすかね?(笑)」
いや、ありえません(滝汗)
慌ててスタッフ・列席者全員が外に避難し、
ものの2,3分で屋根から発火。
消防車が来たときには、もう火柱と黒煙が空に突き上げるように高く昇っていました。
めらめらとレストランが燃えていくのを見ながら、
3ヶ月前に自分が同じように披露宴をあげたことを思い出した。
入口に自分たちの車並べて、
壁の絵に前撮りの写真はりつけて、
たくさんの時間を仲のいい親族や気のおけない仕事仲間と過ごして・・・
もう同じ場所には戻れない、そしてやがて存在しなくなる課程をファインダー越しに見るにたえられず、
涙がぼろぼろ出てきて止まらなくなりました。
「ガンバレ、泣くんじゃない!」と、新郎に励まされて気を取り直す。
・・・逆だろうが、私。
すぐにパトカーによる通行規制がしかれ。
近所のやじうまと列席者で付近はごったがえし。
そんなパニック状態のなかでも、「アハハ、こういうのもありですよ♪」と
気丈に振る舞い、スタッフにも気を遣ってくれていた新郎の笑顔に
スタッフみんな助けられました(涙)
1時間後。
外壁は残ったものの、屋根は骨組みだけになってしまいました。
屋根が焼け落ちた影響で
メインダイニングもたぶん燃えちゃったんだろうなぁ。
撮影の仕事現場としても、
とっても大好きだったところ。
すき間だらけの家だから、夏になるとクーラーが効かず灼熱のなかでパーティーが進んだり
季節ごと自然に咲く花がお庭をにぎやかにしたり
会場内には、床が歪んでいて水平に立てない場所があったり
決してすべてが快適とは言えないその全部が葉山庵らしさであり、
他の「それっぽく」造られた建築物とも、なになに時代の大邸宅ともまったく違う、居心地のよさがあるから好きだった。
建て直していくらか再現できたとしても、もうそれとまったく同じものは戻ってこないんですよね。
これを幸か不幸か、2週間前に偶然ふられた仕事で目の当たりにするとはね。
事故現場での写真はたくさん撮りましたが、知ってる人が見るとけっこうショッキングなので載せません(汗)
原因や状況なども、葉山庵のホームページで告知されているので
詳しいことは省きますが
単純に葉山庵ファンの私としては、あのおいしいお料理が葉山の地でまた同じように楽しく食べられるように願うのみです。
さて、始まったとたんハプニングに見舞われたとんだ結婚式の行く末はどうなったかというと・・・
たまたま夜の披露宴も、ディナー営業も入っていなかった横浜の系列店・グランシェール葉山庵にほぼ全員が移動して、
夜の10時になろうかという遅い時間からでしたが
ありったけの食材を使い、完璧なフルコースを堪能してもらいました。
披露宴ではなく、
あくまで「食事会」。
新郎新婦も、イベントに振り回されることなく
お料理を完食し、お友達との会話も私服に着替えたご両親との写真も楽しんで、ひとときの有意義な時間を過ごせたことと願いたい。
会の最後、新郎からの挨拶で
「昔から、神が何かメッセージを投げかけるときには炎が出ると言います。
もしかしたら、今日僕たちが神前式をあげてきた神社の神様が、僕たちに何か見直さなくてはいけない部分があることを教えてくれたのかもしれません。
これからもおごらず、謙虚に。
こんな結婚式があったんだということを、後の世代まで語り継いでみんなで笑えるように。
最後に、大変な状況のなか、こんなに短時間ですばらしい会をセッティングしてくれたスタッフの皆さんに心から感謝します」
はぁ〜〜〜感動。また涙が出そうになってきた。
ありえない状況のなかでさえも場の雰囲気が悪くならないよう気を使ってくれて、なかなか言えたもんじゃありません。
神様が2人に伝えたいメッセージは、すでに新郎新婦の大きな器のなかに根付いていますよ。
いちカメラマンの私が今回のことで何か責任を持って発言をする立場にはない身ですが、
新郎新婦はじめ列席者の方々にはほんとうに大変な思いをさせてしまい、
レストラン側のスタッフの一人として申し訳なかったと思ってます。
新郎新婦と一緒に各卓をまわっての写真撮影、みなさん普段どおりの笑顔を私のレンズに向けてくれたことがとても嬉しかったです。

コメント
ものすごい経験をされましたね。
しかも、ご自身の結婚式をされた会場・・・。
この新郎さん、人間として素晴らしいですね。
場合によっては、クレームに発展しても仕方のない事情。それなのに、このような発言ができるなんて。
この二人には、きっと幸せな未来が待っていると思いますよ。
やはり、そうですよネ!
あのニュースを目にした時に、確か…と思いました。
本当に久恵さんも色々お疲れ様でした!!
こんにちは!
びっくりしました・・・
そんな事ってあるのですね・・・
新郎の言葉に感銘を受けました。(涙)
ももいさん
私にとってもたぶん、後にも先にもこのようなハプニングは最初で最後でしょうね・・・
ホント、新郎の笑顔に助けられました。
実際問題、この火災のことで現在、新郎新婦と会社側でどのような話が進んでいるのかは
私のところに情報は入ってきてませんが
式当日に穏やかにみんなが過ごせたことだけでも、感謝です。
ジュンさん
ニュース見つけちゃいましたか。
大変だったしショックだったけど、ここの最後を見届けるのも私の宿命だったのかもしれないと思うと
それもまた神様の仕掛けたところなのかもしれませんね。
るいさん
古い民家の火事なんて、
今の時代、新聞なんかで見てもそうビックリすることではないけれど
あれはさすがにショックでした。
このときの新郎新婦には、ホント誰よりも幸せになってほしいです。
幸か不幸か思い出の場所の最後の時を見届けたんですね。
新郎さんは強いですね!
なかなか出来る事じゃありません。
自分の結婚式で火事に見舞われても、怪我人が出なかっただけでも良しとしなければなりませんが、さらにスタッフさんがたにも気を使える新郎さん…
キット相手の新婦さんは幸せになるでしょうね♪
セージさん
あれからもう、2週間がたとうとしているんですね・・・そんな前のことだったっけ???てな心境です。
ホント、場の空気を読むことって難しいんだなぁと実感した現場でした。
ものすごく切迫した場の中で、主役である自分が今出なくちゃいけない行動というのをすごく考えながら、最後にそこまで言ってくれた新郎に涙ものの感謝です。
会社側とどのような話し合いになっているのかはまったく分からないけど、最終的に「こんな結婚式もよかったんじゃないか」と思ってもらえることを願うばかりですね。