ウェディング撮影

トーチの代わりは・・・~ブライダルカメラマンのつぶやき~

2007.4.8

東京ディズニーリゾートエリア・浦安の市街地に建つ、
とあるディズニー提携ホテルにて。

ディズニーのパートナーホテルという冠こそつくものの
「小さなリゾートホテル」といった雰囲気のこぢんまりしたホテルで、
私自身、名称も初めて聞きました。

・・・それもそのはず、
大人数を収容できる宴会場のないこのホテルでは
今日が初めての結婚式だったからなんです。

新郎がここのホテルのスタッフということもあり、
ホテルが建って初めての「やや」実験的な結婚式は、青空が澄み渡るお天気の中、幕が上がりました。

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日差しが差し込む開放的なロビーでの挙式。
新婦と父親のおごそかな入場を、みんな静かに見守ります。

の、はずが。

・・・顔にかかってなくてはいけない新婦のベールは、上がったまま颯爽と入場・・・
このままじゃ、新郎がベールを上げる感動的なシーンはどうなるのって話です(汗)

(入場してからスタッフがこのことに気がついて、式中にあわてて下ろしていました)

それでも、式全体の雰囲気はとってもよかったから許すか。
見ていた列席者も、ナニゲに気づいてない人も多かっただろうし。

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披露宴は、
いつも会議室として使っている部屋をいくつかぶち抜きで、広い場所を確保。
本来は殺風景なスペースですが、お花や清潔なクロスでテーブルを飾れば
決して悪くない、全体のイメージになってましたね。

しかし、100人クラスの宴会で同じお料理を一斉に出すなんてことは
サービススタッフも初めてのこと。
あっちのテーブルとこっちのテーブルのお料理の盛りつけや量が見るからに違うのは当たり前、
びっくりしたのは
サービス時に誤って落としたフォークを
次のテーブルにサービスするときにそのまま拭いて出しちゃった、なんて衝撃的シーンもカメラマンは見逃してませんよ(汗・・・その2)

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それでも披露宴は和気あいあいと楽しく過ぎていき、
お色直しのキャンドルサービスへ。
この日のはキャンドルではなく、ドライアイスの煙の中に浮かんだ花火にパチパチと火をつけていきます。
幻想的で、とってもキレイでしたよ。

花火に2人で火をつけるためのトーチ。
通常、何卓も回っているうちにトーチ内のガスが切れることはたまーにありますが、
当然予備のトーチをキャプテンがさっと出してくれるから、
そんなことは今まで気にしたこともありませんでした。

この日も、最後のテーブルになってガス欠が発生しました。

次のトーチが出てくるかと思いきや、
まわりのスタッフはなにやら騒然と・・・

~予備を用意してないようです~(汗・・・その3)

新郎新婦、不安に待つこと3分。

15卓め、最後の花火に火をつけたのは・・・

まさかとは思いましたが、私の期待を裏切らなかった最後のサプライズ。
新婦はさすがに本気で嫌がってたけど、
新郎にしてみたらこれはこれで楽しかったみたいです(笑)

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10年ほど前、ゼクシィってものが世のブライダル業界に燦然と登場して以来、
オリジナル婚なんてスタイルがどんどんはやり始めていた頃。
オシャレなウエディングを装うプロデュース会社も一気に増えましたが、最初の頃は
人の教育もサービスも追いつかず、上記のようなポカは日常茶飯事的に起こっていたものです。

今でこそ、サービス業としてきちんと確立した業態にはなりましたが
この日の結婚式は、そんなひと昔前のオシャレウエディング(?)を彷彿とさせる、
カメラマン的には何か懐かしいものすら感じた一日でした。

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クレーム?
それは出てないでしょう、
だって新郎も新婦もこの日を思いっきり楽しんで、笑って、泣いて、
最高の一日になったはずですから。

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