2009.1.25 結婚式の撮影
この日の会場は銀行倶楽部。
銀行協会ってところの会員制施設ですが、
現在はウエディングの会場として一般にも開放しているとのことです。
聞いたこともなかった会場に、最初は「どこだソレ??」なんて思いましたが(笑)、
皇居に近い内堀通りぞいに建ち、由緒正しい造りをきちんと保存している雰囲気のところですね。
ここで式を挙げるなら写真はぜひここで!
という、
看板ロケーションがだいたいどこの式場にもあるものですが、
銀行倶楽部ならこの階段。
実は階段からの引きがなく、写真を撮るにはけっこうキツキツだったりしますが(汗)、
ロングトレーン&超ロングベールのドレスをめいっぱい入れて格式高く。
ゴシックなんとか調・・とか、かっこいい名前つけて「それらしく」造ったハウスウエディングも今だ人気ですが、
やっぱり造りが「ホンモノ」だと、写真の深みが出るのです。
撮ってても楽しい。
さて式から1ヶ月ほどさかのぼったある日、新婦からの問い合わせで
「当日の様子を上映しながらエンドロールを作ってくれるところ、知りませんか?」
と。
ビデオ撮影をお願いするにあたって、
当日撮影したものを
現場で数分間のダイジェストに編集して披露宴のエンディング時に上映、
さらにそこに出席者全員のエンドロールを入れたい・・・とのことです。
あいにく、会場提携のビデオはそのプランがないみたい。
最近はエンドロールこそ自作・業者とわずどの結婚式でもスタンダードによく見ますが、
当日のダイジェスト映像とともに・・となると、
機材も人も必要なので
基本的には式場に常駐している提携業者の売りだったりしますよね。
私「ビデオ撮影のカメラマンならいくらでも紹介できるけど、
その場でエンドロールも作って上映ってなると・・・申し訳ないm(_ _)m」
と、あっさりその場でお断りしてしまいました。
式場スタッフが一切かかわらないアウェイ環境の中で
当日、撮影しながら別スタッフが編集機材も持ち込んで編集作業をすすめ、
2時間の披露宴終了時までにエンドロールを完成させる・・・
いや~~~持込業者として長い私は、
考えるだけでかなりデンジャラス(汗)
でも、どうしてもコレをやりたかった彼女、
気合いで業者さんを探してきました。
「とても感じがよく、信頼できそうなところを見つけました」
そして式当日、いよいよ披露宴のラストを飾るエンドロール上映が始まりました。
お支度ができあがって両家の親族がはじめて顔合わせをする瞬間、
チャペル挙式での緊張、
披露宴での和やかなようすと
新郎新婦の幸せな表情・・・
いろんな場面が次々とテンポ良く流れ、
その画面のなかには今日一緒に過ごしてくれた列席者全員の名前もしっかり刻まれていってます。
みんな、
流れる映像とともにいろんなことを思い出しながら見てたんでしょうね。
マジックにかかったようなビックリ笑顔で
最初から最後までエンドロール映像に釘付け(笑)
エンドロール中、会場のところどころでずっと絶えない静かな歓声とみんなの笑顔が、
新婦の選んだイベントが大正解だったことを証明してくれました。
新婦が選んだ業者さんは、ブライダルシネマさん。
最後まで会場内で私と一緒に撮影していたビデオカメラマンは
私とどこかで一緒になったことがあるのを覚えてくれていたらしく、
お色直し中のちょっと時間が空いたときに立ち話ができました。
私が「コレ、絶対大変ですよね~~(^_^;)」と聞くと、
「アハハ、列席者用の更衣室で編集やってるんですよ(笑)
時間厳守とクオリティ、どちらも求められるなかで
それはもう、やり出した最初の頃は失敗ばかりで・・・
とてもお金もらって渡せる商品にならないこともたくさんありましたよ」
と、過去の苦労話をちょっとだけ話してくれました。
分かる分かる・・・
私も、最初はとんでもない写真ばっかり撮って、
ケーキカットの写真がぜんぶ真っ暗だったり、
いろんなことやらかしたなぁ。
そのときの花嫁さんにはとっても申し訳ないけれど、
いろんなミスや失敗してきて
そのたびごとにひとつずつ成長できるのも職人の世界。
みんな一緒だなぁと思うと
持込業者として決して一匹狼ではないことを感じて
少し暖かい気持ちになったこの日のお仕事でした。
この日の花嫁さんとは、同じ趣味を持つ仲間から紹介されて知り合いました。
この仕事をやってなければ出逢うはずもなかったかもしれない私たち・・と思うと、
一つ一つの出逢いを大切にしていきたいなと思うのです。