ウェディング撮影

「うちの嫁」へのサプライズ~ブライダルカメラマンのつぶやき

2006.5.14

世間は母の日なんですよねぇ。

今日の結婚式でも、そんな母の日にちなんだイベントで盛り上がりました。
新郎新婦、お色直しの中座時。
突然両家のお母さんを呼び出して、お互いの母へのプレゼントのあとは、
新郎と新婦、二組の親子どうしで腕を組み合って退場。
お母さんにとっては突然の嬉しいプレゼントとイベント。
新郎のお母さんがぼろぼろ泣いていたのには、私もナニゲにきちゃいましたね。

さて、そんな披露宴の最後で、ひさびさに私の中でヒットした感動です。

大トリを任された、新郎父の挨拶。
今日の謝辞を丁寧に述べるお父さん。
私はそのシーンの写真を撮りおわって、会場の隅に移動しようとしたとき・・・

「さて最後に、今日は新しくウチに来る嫁に、私からのプレゼントを持ってきました」

サプライズプレゼントってのはいろいろ仕掛けてあることが多いけど、
新郎の父から新婦にって・・・私にとっても初めてです。いったいなんだろう???

お父さん、内ポケットから小さな紙を出しました。
「これは、私が44歳の誕生日のときに、当時小学校2年生だった息子がプレゼントしてくれたものです。

『お手伝い券』。

君たちの住む社宅にはエレベーターがないので、そんなときには『荷物を持ってあげる券』4回分ありますね(笑)。
長崎は坂が多いので、疲れたら『肩たたき券』がいいかな。
他にもいろいろあるから、たくさんコイツを使ってやってください。」

お父さん、若い頃から仕事・仕事で、家庭的にはダメな父親だったとスピーチでおっしゃってました。
これをもらったときも、使うきっかけすらなく今まで大事にとってあったのでしょう。

新郎の仕事の関係で、お互いに土地勘のない場所で新生活を始める2人に、
遠くから見守ることしかできないご両親の、特にお父さんの、せめてもの応援と愛情。

隣に並んでその様子をビックリしながら見ていた新郎、
「なんだよぉ~」なんてものすごく恥ずかしそうにしてましたが、
これ以上心のこもったサプライズプレゼントもないですよね。

そばで見ていた私も、心からなんだか暖かくじーんとしたものがこみあげてきました。

この仕事をするようになってから、
5月の第2日曜日なんてブライダルシーズンまっただなかで、
実家の母に何かをしようって思うゆとりなんてなくなっている薄情な私ですが。
今年は、ちょっとしたリラックスグッズを買いました。
来月帰省したときに、ちょっと遅い母の日プレゼントにしよう。

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