そんななかで、なにか私にできること。
いつの日か、だれでもやってくる人生の最後の舞台で
見送りに来てくれる皆さんをきちんと迎えるための写真は
スナップ写真を切り抜いて無理やり引き延ばしたんじゃないものを準備してもらうこと、
そしてそんな写真を残すためには
病気になって自分自身が弱くなってからでは遅いこと、
そんなことを私の身近な人たちからだけでも知ってもらえると嬉しいなあと思いはじめています。
「終活」なんて流行りに単純に乗っかるのではなく。
この日のおばあちゃんは、
私の大切ないとこの、大切なお義母さん。
80もそろそろという歳になり、「そのとき用」の写真も残しておきたいんだけど
とにかく腰が悪くてまともに歩けなくて
近くの写真館にすら行けないから来てくれない?
ということで、富山に帰省したときにおじゃましてきました。
ここでいいかな?と通された部屋は、
20年くらい前、買って間もない一眼レフで、
私がはじめて結婚式の写真を撮ったときに立ち会った
彼女の嫁入り先のお座敷でした。
ここで2人の写真撮ったなあとか、
仏壇参りもしたんだよなあとか、
そんなことを思いながらセッティング完了後、
お義母さんの遺影撮影(あえて堂々と言わせていただきます)。
背中がまんまるのまま、腰もまっすぐにならない状態で何とか座ってもらった撮影のはじまりでしたが、
私とおしゃべりしながら写真撮っていくうちにどんどん腰が伸びてきて、胸もしっかり張ることができて、
表情もとてもかわいらしくなって。
あとは私のほうで、女性のたしなみ程度に
お顔の年輪を薄くしてあげれば、「飾らない今のお義母さん」をあらわす生き生きとした記念の一枚に。
写真のことだけでいえば、撮影はじめは体に顔が埋もれるほど背中が曲がり、表情も硬かった一枚も紹介すれば
仕上がりの写真がどんなに奇跡の一枚かはっきり分かるぐらい、このかたの撮影中の変化は素晴らしかったのですが
それは、撮ったほうと撮られたほうの、ふたりだけの秘密にしておくことにしましょう(*^_^*)